ネットショップ開業の基本知識!開業方法と必要なものを紹介

公開日:2022/12/23
最終更新日:2022/12/23
ネットショップを個人で開業しようと考えている方の中には、開業までにどのような手順を踏んでいけばいいのか、または必要なものは何かわからない方もいらっしゃることと思います。
そこで今回は、ネットショップ開業の基本知識や必要なもの、おすすめのネットショップサービスについて解説します。
ネットショップ開業をされたい方は、ぜひ本記事を参考にして正しく運営していきましょう。
なお、ホームページ作成をご検討なら、BESTホームページをご検討ください。
01ネットショップを個人で開業・運営することはできる?
ネットショップの規模にもよりますが、個人で開業・運営することは十分に可能です。
ここでは、ネットショップを個人開業・運営する際のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
1-1.個人で開業・運営するメリット
ネットショップを個人で開業・運営するメリットは、主に以下のような点があります。
- ✔スキマ時間や空いている時間を有効活用できる
- ✔人件費がかからない
- ✔マイペースに作業が進められる
- ✔年齢に関係なく始められる
1人でやるからこそ自由な時間を使ってマイペースに作業ができ、人件費も考えなくてよいのが大きなメリットです。
また、ご自身で開業するため雇用されるわけではないので、定年退職や新卒などの年齢を気にすることなく始められます。
1-2.個人で開業・運営するデメリット
一方、ネットショップを個人で開業・運営するデメリットは以下の通りです。
- ✔1人作業になるので忙しい
- ✔仕事とプライベートの切り分けが難しくなる
- ✔集客戦略が限定される
個人だからこそ、1人で全ての業務をこなさなければならない点はデメリットといえます。
また、個人のネットショップ開業の多くはスタートとして自宅での作業を考える方が多いので、その場合は仕事とプライベートの切り分けが難しくなるでしょう。
スイッチのオン・オフができれば問題ありませんが、そうでないと常に仕事をしている感覚になってしまいます。
個人だからこそ予算や人員が原因となり、集客戦略が限定されてしまうのも個人でネットショップを運営するデメリットです。

02ネットショップを開業する際の手順と必要なもの
ネットショップを開業するには、どのような手順を踏んでいけばよいのか、必要なものについてご紹介します。
2-1.商品・コンセプトを決める

まず、ネットショップを開業するにあたって、商品が決まっていなければいけません。
販売商品を決めないと、この後の仕入れ方法の選択や運営方法に至るまでのステップが滞ってしまいます。
また、ショップを運営する際にコンセプトをどうするのか決めるのも重要です。
特に
- ✔ネットショップ運営の目的
- ✔ターゲットとなる人物
- ✔商品ラインナップ
以上の点は、最低限決めておきましょう。
コンセプトが曖昧なものになってしまうと、イメージしていたネットショップとズレが発生してしまいやすくなります。
もし、ズレを修正しようとすると追加で時間を消費することになるため、効率よくネットショップを開業するなら、先に確固たるコンセプトを決めましょう。
2-2.仕入れ方法の選択
販売商品・コンセプトが決まったら、続いて仕入れ方法の選択です。
ハンドメイドやオリジナル商品を作るのか、あるいは商品をどのように仕入れるのかを決めましょう。
ハンドメイドやオリジナル商品を作る場合でも、原材料や部品の調達があるため、仕入れ先・ルートの確保は必要です。
その際に、できるだけ品質がよくコストを抑えた仕入れができるのかが、ネットショップでの利益につながります。
オリジナル商品を作る場合は、
- ✔オリジナルグッズ作成サービスに発注
- ✔メーカーに発注
どちらの選択になるかによっても発生する費用や手間が異なるので、自分に合った方法を選択しましょう。
ネットショップに必要な商材や原材料の仕入れルートには、主に以下の7つがあります。
- 仕入れサービスを利用
- 展示会などのイベントに参加して発掘
- メーカー・作家と交渉
- 卸問屋・問屋街で探す
- 海外から輸入する
- OEMの利用
- ドロップシッピングの利用
では、それぞれの仕入れ方法について見ていきましょう。
仕入れサービスを利用
インターネット上で、商品を卸値で購入できる仕入れサービスを利用することで、商材・原材料の調達ができます。
ただし、上記のような仕入れサービスは、一般消費者や個人では利用できない場合が多く、会員限定や事業者限定となっているケースも珍しくありません。
「スーパーデリバリー」や「NETSEA」といった仕入れサイトは、取り扱える商材・原材料も豊富なのでおすすめです。
展示会などのイベントに参加して発掘
展示会や見本市といった多くのメーカーが集まって自社商品を紹介するイベントに足を運び、商品を発掘するのも有効です。
基本的には会場に行って実際の商品を見て回りますが、最近ではバーチャル展示会のようにオンライン上でやりとりできるイベントも増えています。
展示会・見本市によっても異なりますが、入場制限や招待状がないと入れないこともあるので、参加する際は公式サイトの確認を忘れないようにしましょう。
メーカー・作家と交渉
販売商品が明確に決まっているなら、メーカーや作家さんと直接交渉するのも方法の1つです。
気になるメーカー・作家さんと連絡が取れるよう、電話やメール、お問い合わせフォームを調べてみましょう。
連絡する際は、なぜ商品を仕入れたいのかを明確にし、自身のネットショップに関する情報を伝えるようにしてください。
もし、複数のメーカー・作家さんと連絡をとる場合は、事前に紹介ページや紹介文を作成しておくとスムーズです。
卸問屋・問屋街で探す
事業者や企業を対象として商品を販売している卸問屋や問屋街で商品を仕入れるのもよいでしょう。
ただし、独自のルールが設けられている、プロ向けの商品しか取り揃えていないなど、店舗によって特徴はさまざまです。
海外から輸入する
海外から商品を輸入する方法もあるので、国内外に視野を広くもつのも大切です。
海外から仕入れる場合は、インターネットを利用するか、直接現地で購入するかどちらかになるでしょう。
渡航費・滞在費を考えると、インターネットから仕入れた方がコストを抑えられます。
一方、現物を確認することは難しく、より慎重に商品を選びたい場合には現地購入が適切でしょう。
また、どちらも言語の壁があるため、ある程度の知識が必要になる点も注意してください。
OEMの利用
OEM(Original Equipment Manufacturing)は、自社が企画した商品を別メーカーに製造してもらう方法です。
企画はあるものの設備や知識が不十分な場合でも、クオリティの高い商品の製造を実現できるのがOEMの魅力といえます。
もちろん自社で製造するよりもコストは高くなりますが、その分、高品質で独自性のある商品に仕上げられ、競合他社との差別化も実現可能です。
ドロップシッピングの利用
仕入れの際に気になる在庫を撤廃した運営方式がドロップシッピングです。
ドロップシッピングは、注文が入った段階でメーカー・卸売業者に連絡し、直接消費者に商品を送ります。
自身で在庫を持つ必要がないため、発送の手間や棚卸しの必要がなく、少ない予算でも運用可能です。
2-3.出店方法の決定

販売商品や仕入れ先が決まったら、続いて出店方法の決定です。
出店する場合は主に
・モール型ECサイト
・ネットショップ作成サービス
以上のどちらかになります。
モール型ECサイトは、Amazonや楽天市場といった販売プラットフォームを指し、そのブランド力から集客のしやすさが魅力です。
一方、ネットショップ作成サービスは、デザインや決済機能、商品管理といったシステムを利用できるサービスです。
集客に不安がある、あるいはゼロからのスタートの場合は、モール型ECサイトを利用するとよいでしょう。
初期費用やランニングコストを考えると、ネットショップ作成サービスの方がコストパフォーマンスは優れているため、メリット・デメリットを理解して選択しましょう。
2-4.販売禁止の商品は取り扱わない
ネットショップで販売が禁止されている商品は複数あり、知らずに運営してペナルティを受けてしまった、ということがないようにしなくてはいけません。
以下に該当する商品は、ネットショップで販売が禁止されているので注意しましょう。
- ✔法律で販売・所持が規制されているもの(大麻、覚せい剤などの薬物や医薬品など)
- ✔犯罪に使用される恐れのあるもの(刀剣類、火薬類、武器など)
- ✔公序良俗に反するもの(アダルトグッズ、わいせつ物など)
- ✔悪用される危険性があるもの(免許証、パスポート、顧客情報など)
- ✔譲渡が禁じられているもの(銀行口座、金券、現金など)
- ✔第三者の権利を侵害する恐れがあるもの(商標権、著作権など)
- ✔利権を侵害しているもの(偽ブランド品、違法コピー商品など)
- ✔期限切れのもの(賞味期限・消費期限切れの食品など)
- ✔射幸心を煽るもの(賭博、富くじなど)
- ✔金融商品に関連する情報商材(株式投資、FX、暗号通貨に関する情報など)
2-5.開業の届出・許可・資格の確認

個人でネットショップを開業するには、個人事業主の開業届の提出が必要です。
正確には開業届を届け出る義務はないものの、社会的な信用や確定申告時の「青色申告特別控除」が適用されるので、メリットは多いでしょう。
開業届以外にも、販売商品に関して必要な許可・資格があれば確認してください。
対象商品 | 許可・資格 |
食品類 | 食品衛生責任免許 食品衛生法に基づく営業許可証 |
酒類 | 通信販売酒類小売業免許 |
化粧品 | 化粧品製造業届出書 化粧品製造販売届出書 |
医薬品 |
医薬品販売許可
特定販売許可届出 薬局開設許可 登録販売者の資格や薬剤師の資格 |
中古品 | 古物商許可証 |
輸入品 | 食品等輸入届出書 |
管理医療機器 (コンタクトレンズや家庭用マッサージ機器など) |
管理医療機器販売業・貸与業届書 |
ペット | 第一種動物取扱業の届出 |
2-6.ネットショップの制作・構築
出店方式に合わせてネットショップの制作・構築をしなくては、商品を販売することはできません。
一概にはいえませんが、ネットショップを制作・構築する場合、以下の作業が必要です。
- ✔デザイン・レイアウト設計
- ✔決済方法の選択・実装
- ✔商品登録
- ✔商品写真・説明文の掲載
- ✔テスト注文
特にネットショップ作成サービスを利用する場合は、デザインやシステムが完成したとしても、注文時にエラーが発生する可能性があります。
そのため、必ずテスト注文まで行い、問題なく決済まで進めるかを確認しましょう。
2-7.確定申告(青色申告)の提出

所得が20万円を超える場合には、原則として確定申告をしなくてはいけません。
個人でネットショップを開業している場合でも例外ではないので、売上から経費を差し引いた利益がどのくらいあるのか確認しましょう。
国税庁が提供している「申請書作成コーナー」や税務署が開催している相談会、あるいは確定申告ソフトのいずれかで申告可能です。
確定申告する際は、「白色申告」と「青色申告」に分かれており、より多くの控除を受けるには青色申告を選択します。
もし、青色申告を考えている場合は、業務開始日から2ヶ月以内に「青色申告承認申請書」の提出が必要です。
控除を利用して節税するなら、開業後は忘れずに提出するようにしましょう。
03開業でネットショップ作成サービスを利用する際の比較ポイント
ネットショップ作成サービスを利用すれば、個人でも簡単にショップを開業・運営できるのでおすすめです。
しかし、ネットショップ作成サービスは多数あるので、どれが自分に合っているかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、比較する際に大事なポイントを以下にまとめました。
- ✔初期費用
- ✔月額費用
- ✔販売手数料
- ✔決済手数料
- ✔データ容量
- ✔デザインテンプレートの豊富さ
特に、料金に関する部分は初期投資・ランニングコストに関わってくる重要な部分になるのでよく比較することが大切です。
サービスによっては「有料」と「無料」の2通り提供している場合もあり、手始めに無料プランで操作感を確かめてみるのもいいでしょう。
もし、無料プランで限界がきた場合には、有料プランに切り替えを検討します。
また、決済手数料についてもできるだけ低い方が利益は多くなるので、大切な比較ポイントといえます。
データ容量やテンプレートの豊富さ、その他の機能に関しては、この後ご紹介するおすすめサービスにて詳しく解説します。
ぜひ、ネットショップ作成サービスが気になっている方は参考にしてみてください。

04ネットショップ開業におすすめのサービス5選
ここでは、ネットショップ開業におすすめのサービスを5選ご紹介します。
それぞれの特徴やメリットを理解し、自分に適切なサービスを見つけてみてください。
4-1.BASE

初期費用や月額費用がかからず、誰でも簡単にネットショップを作成できるサービスがBASEです。
現在のショップ数は180万店舗にも及び、知名度・信頼度ともにトップクラスのネットショップ作成サービスといえます。
操作性もよく、ネットショップの知識がない初心者の方でも直感的に作れるようなシステムも人気の秘訣でしょう。
また、「クーポン」や「メルマガ」といった拡張アプリも無料で使えるため、ネットショップ作成サービスに迷ったらBASEがおすすめです。
4-2.STORES

ヘイ株式会社が提供しているSTORESは、毎月1万店舗の開設数があり、今人気急上昇中のネットショップ作成サービスです。
シンプルでスタイリッシュなデザインのテンプレートが豊富にあるため、他のネットショップとも引けを取りません。
商品は無制限で登録できるだけでなく、インスタグラムとの販売連携が可能なので、SNSとの相性もいいでしょう。
コストパフォーマンスの高い独創性のあるデザインのネットショップにしたい場合には、STORESを検討してみてください。
4-3.Squareオンラインビジネス

ネットショップ作成サービスの中では後発に入るものの、その機能性の高さから注目を集めているのがSquareオンラインビジネスです。
運営元であるSquare株式会社は、決済サービスを手掛けている経歴があり、在庫連動やPOSレジといった販促ツールの導入にも力を入れています。
特徴的なのは、決済手数料3.6%という業界最安といわれるほどの安さです。
高機能なネットショップ作成サービスを使って販路拡大を目指したい方は、Squareオンラインビジネスを検討してみましょう。
4-4.カラーミーショップ

17年以上もネットショップ業界を牽引してきたのが、カラーミーショップです。
ユーザーの離脱を抑えるために入力から完了までのステップを極力削ったショッピングカート機能は、売上をあげたい方には嬉しい機能でしょう。
運営で困ったことがあっても、メールや電話によるサポートもあるため、ネットショップ作成が初めての方でも安心です。
老舗のネットショップ作成サービスながら、スマホアプリで商品の受注・発送から在庫管理まで行える点も魅力といえます。
ネットショップを始めるにあたって手厚いサポートが欲しい方は、カラーミーショップを検討しましょう。
4-5.メルカリShops

無料で使えるフリマアプリである「メルカリ」に、ネットショップを作成できるサービスがメルカリShopsです。
通常のメルカリで販売するのと違い、値下げ交渉がなく、商品のまとめ出品が可能など、機能の多彩さが見受けられます。
ショップ自体の開設・出品も簡単で、毎月2,000万人以上の利用者がいるメルカリで販売できるため、集客にも期待できるでしょう。
メルカリをよく使っている方は、開設・運営がスムーズになるのでおすすめです。
05ネットショップの開業による平均年収は?
個人でネットショップを開業した場合、どのくらいの平均年収になるのかを参考に知りたい方も多いでしょう。
しかし、ネットショップと一言でいっても販売する商品・商材は多岐にわたるため、一概に平均年収を出すことはできません。
仮に、販売額1,000円の商品を出品すると考えた場合、各年収に到達するまでの販売個数について想定してみましょう。
販売額・経費・販売手数料を以下のように仮定します。
販売額(1個あたり) | 1,000円 |
経費(1個あたり) | 500円 |
販売手数料 | 販売額の3% |
そこで、年収100万・300万・500万・1,000万を計算しましょう。
年収 | 計算式 | 販売個数 | 月収 |
年収100万円 | (470円×毎月の販売個数)×12 | 180個 | 8万3,000円 |
年収300万円 | 540個 | 25万円 | |
年収500万円 | 890個 | 41万6,000円 | |
年収1,000万円 | 1,780個 | 83万,3000円 |
以上のような結果になります。
もし販売価格が高ければ販売個数は少なく済むため、ご自身が何をどのくらいの価格で売るのかによって予測をたててみてください。
06ネットショップの配送にかかる料金は?

商品が売れた際に、どの運送会社を利用して配送するのかによっても料金は異なります。
ここでは、以下の有名な運送会社の配送料金を東京~大阪間でどのくらいかかるのか比較をしました。
- ✔ヤマト運輸
- ✔佐川急便
- ✔日本郵政
- ✔西濃運輸
- ✔福山通運
では、サイズごとの配送料金をみていきましょう。
6-1.①60サイズの料金比較
まずは60サイズの東京~大阪間の料金比較からです。
配送会社名 | 重量 | 料金(税込) |
ヤマト運輸 | 2kg | 1,040円 |
佐川急便 | 2kg | 880円 |
日本郵政 | 25kg以下 | 970円 |
西濃運輸 | 2kg | 1,023円 |
福山通運 | 2kg以下 | 1,100円(パーセルワン630円) |
通常配送を考えると、佐川急便が安く感じられますが、福山通運が提供しているパーセルワンというサービスが利用できれば、そちらが最安値です。
パーセルワンは以前まで法人のみ契約可能でしたが、現在では個人でも利用できるようになりました。
そのため、福山通運の利用を検討しているなら、同社の提供するフクツー宅配便よりも、パーセルワンがおすすめです。
6-2.②80サイズの料金比較
続いて80サイズの料金比較です。
配送会社名 | 重量 | 料金(税込) |
ヤマト運輸 | 5kg | 1,260円 |
佐川急便 | 5kg | 1,155円 |
日本郵政 | 25kg以下 | 1,200円 |
西濃運輸 | 5kg | 1,276円(70cmサイズ) |
福山通運 | 5kg | 1,330円(パーセルワン735円) |
※西濃運輸に関しては80サイズの配送を行っていないため70サイズの配送料を記載
60サイズよりも料金の開きが少なくなったものの、佐川急便が最安値なのは変わりません。
また、福山通運のパーセルワンは90cm以下・5kg以下で735円なので、少しサイズをオーバーしても送料が安くておすすめです。
もし、80サイズ以内で重量が5kgを超える場合は、日本郵政を選ぶといいでしょう。
6-3.③100サイズの料金比較
最後に100サイズの料金比較です。
配送会社名 | 重量 | 料金(税込) |
ヤマト運輸 | 10kg | 1,500円 |
佐川急便 | 10kg | 1,496円 |
日本郵政 | 25kg以下 | 1,440円 |
西濃運輸 | 10kg | 1,529円 |
福山通運 | 10kg | 1,540円(パーセルワン1,050円) |
パーセルワンをのぞくと、100サイズの配送料は日本郵政が最安値となります。
また、他の運送会社は重量規定が10kgになるため、サイズ・重量のある商品は、自然と日本郵政に絞られるでしょう。
逆に、10kg以下であればパーセルワンの送料が飛び抜けて安いため、コストカットを考えているならおすすめです。
07ネットショップの配送方法の決め方・選び方

先ほど配送業者ごとの料金をご紹介しましたが、安さだけで選ぶことは適切ではなく、あくまで目安として覚えておくべきです。
では、料金以外にどのように配送方法を決めればいいのか、配送業者の選び方について解説します。
7-1.商品に最適な配送方式を選ぶ
全ての商品を指定の配送業者に任せる必要はなく、商品に最適な配送方式ができる業者を選ぶのがいいでしょう。
例えば、小さい商品をまとめて送りたい場合には、日本郵政の「クリックポスト」がおすすめです。
クリックポストは全国一律税込185円で発送できます。
また、冷凍品を送るならヤマト運輸の「クール宅急便」や日本郵政の「チルドゆうパック」、佐川急便の「飛脚クール便」が有名です。
このように、商品によって絞った配送方式の中から、どれが運営に適切かを選択していきましょう。
7-2.信頼できる配送業者を選ぶ
過去の実績やシェア率などを含め、信頼できる配送業者を選ぶのも重要です。
商品がキレイな状態でお客様のもとに届くのか、指定された日付に届けてくれるのか、といった不安箇所は、信頼があるからこそ任せられるはずです。
無名の配送業者の場合、発送側だけでなく商品を受け取る側も不安に感じるでしょう。
そのため、信頼という点では先ほど紹介した有名な運送会社がおすすめです。
ちなみに、国土交通省が調査した「令和3年度の宅配便等取扱個数の調査及び集計方法」によると、運送会社のシェア率は以下のようになっています。
運送会社 | シェア率 |
ヤマト運輸 | 46.6% |
佐川急便 | 28.0% |
日本郵政 | 20.2% |
福山通運 | 2.9% |
西濃運輸 | 2.1% |
その他 | 0.1% |
見慣れている運送会社に依頼するのも、お客様が安心できるという理由になるので、参考にしてみてください。
7-3.充実したサービスから選ぶ
各運送会社では、料金以外にもさまざまなサービスが付随されています。
そのため、商品によって充実したサービスを利用した方が、お客様に喜んでもらえる場合は、判断材料としてみておくべきでしょう。
例えば、以下のようなサービスがあります。
- ✔時間指定配達
- ✔再配達対応
- ✔クール便対応
- ✔接客対応
もし、配達時間を細かく設定したいなら、佐川急便の「佐川ジャスタイム便」がおすすめです。
多くの配送業者は時間指定が2〜3時間おきの中、佐川ジャストタイム便は30分間隔で指定できます。
このように、配送業者が提供しているサービスによって、お客様満足度を高める工夫も可能です。
08個人のネットショップの開業で住所を非公開にできる?

個人でネットショップを開業すると、登録する住所が自宅になってしまうため、できれば非公開にしたいと考える方も多いのではないでしょうか。
結論をいうと、特定商取引法に基づき、運営者の氏名・住所の公開は義務付けられているため、非公開にすることは難しいです。
基本的には、住所は公開するという認識で覚えておきましょう。
8-1.個人のネットショップの開業で住所を非公開にする方法
原則ネットショップの開業で住所の公開はしますが、「特定商取引法ガイド」には以下のような記載があります。
- 消費者からの請求によって、広告表示事項を記載した書面又は電子メール等を「遅滞なく」提供することを広告に表示し、かつ、実際に請求があった場合に「遅滞なく」提供できるような措置を講じている場合には、事業者の氏名(名称)の表示を省略することも可能です。
引用:特定商取引法ガイド
これはつまり、住所開示請求が行われた場合、直ちに公開できる状態なら、住所を表示しなくてもいいという意味です。
他にも、住所の非公開設定が可能なネットショップ作成サービスの利用や、バーチャルオフィスを契約し、住所を記載することでも対策できます。
09ネットショップの送料の決め方
ネットショップの送料は、お客様が購入するか決める重要な要素の1つです。
送料に納得しないお客様がいた場合、ショッピングサイトから離脱する可能性が高くなります。
では、ネットショップの送料はどのように決めるべきなのでしょうか。
基本的には、以下の5通りの選択肢があります。
- 送料無料にする
- 送料を全国一律に設定する
- 一定額以上の購入で送料無料にする
- 配送地域別に異なる送料を設定する
- 配送手段ごとに送料を設定する
ネットショップの商品発送地域や、配送方式によってどの送料設定にするか決めるといいでしょう。
もし、送料によって売上に悪影響を与えると感じた場合は、キャンペーンを行い、送料無料や一定額以上で送料無料を展開してみると判断しやすいです。
利益・売上を考えながら、適切な送料を設定しましょう。

10ネットショップの売上向上のための集客・販促のコツ
実店舗とは違い、ネットショップは何千万とあるため、開業して放置したままでは人の目につくことはほとんどありません。
売上向上のためには集客戦略を実施していく必要がありますので、いくつか実践すべきコツについてご紹介します。
10-1.集客のコツ
ネットショップを開業してから行うべき販促行動として、主に以下の2つがあります。
- ✔SNS運用
- ✔SEO対策
では、それぞれ具体的な施策方法についてみていきましょう。
SNSを運用して認知を広げる
現代の集客においてSNSほど相性のいいものはありません。
SNSの拡散力によって、商品に関連するジャンルに興味・関心のあるユーザーだけでなく、潜在的なニーズを持つ方にも情報を届けることができます。
また、ネットショップのアカウントのフォロワーが増えれば、商品やイベントの告知にも役立つでしょう。
結果として、ご自身のネットショップのファンになってもらい、購入へとつなげられます。
現在の有名なSNSは
の3種類で、それぞれアクティブユーザーの特徴が異なります。
もし、20代〜30代の女性をターゲットに、画像や動画をメインの投稿を考えているならInstagramがいいでしょう。
ターゲットが10代〜30代と広く、拡散力による認知度向上を狙うならTwitterがおすすめです。
20代〜40代のビジネスマンに向けた商品を展開していくならFacebookが合っています。
どのような商品を販売してくのかによって、適切なSNSを絞って発信していきましょう。
SEO対策で検索上位を狙う
ネットショップを検索上位に表示させたいなら、SEO対策を行うのが効果的です。
SEO(Search Engine Optimization)とは、サイトを検索エンジンに対して最適化させ、ホームページを上位に表示させやすくする施策を指します。
例えば、ショップページのディスクリプションや商品説明の文字を増やし、検索に引っかかりやすくするなどです。
また、商品数を増やしたり、商品に関連するコンテンツページを設けてキーワード対策をしたりするのもいいでしょう。
SEOは長期的に行っていく施策なので、即効性はありませんが、最適化されると集客によい影響を与えます。
そのため、ネットショップ業務の中にSEO対策も組み込みながら、うまく運用していきましょう。
10-2.販促のコツ
ネットショップにユーザーが流入するようになったら、あとは販促行動で購入率を高めていきましょう。
ここでは、販促のコツについて簡単に解説します。
メルマガでお客様とコミュニケーションをとる
メルマガに登録してくれたお客様は、ご自身のネットショップのファンでもあるので、コミュニケーションを積極的に取るのがコツです。
- ✔新商品情報
- ✔キャンペーン・特典情報
- ✔商品に関連する豆知識や有益な情報
- ✔オーナーの近況や日頃の出来事
以上のような情報を発信し、ネットショップのファンとの絆を深めていきましょう。
メルマガで定期的に商品やオーナーとの接触が多くなると、好意的な印象を与える反面、頻度が多すぎると広告のような嫌悪感を抱かれる場合もあります。
あくまで宣伝感の出ないよう、適度にコミュニケーションを取る意識でメルマガ発信は行いましょう。
定期的に情報発信を行う
SNSやメルマガ、ネットショップページのいずれも、運用していなければ集客・販促はできません。
そのため、興味・関心のあるユーザーの購買意欲を高められるよう、定期的に情報発信を続けるのが2つ目のコツです。
特にSNSは流動性が高いので、こまめに情報発信をして多くのユーザーとコンタクトできるように心がけるべきでしょう。
情報発信の際は、使い回しと思われないよう、発信する媒体やタイミングなどで文章や画像を変える工夫も忘れないようにしてください。
フォローメール
商品購入をしてくれたお客様を根強いリピーターにさせるには、「フォローメール」を送るべきです。
商品購入後に以下内容について触れたメールを送ると、顧客満足度が向上しやすくなります。
- ✔商品の使い心地について
- ✔商品の使い方やコツについて
- ✔口コミ投稿でクーポンなどの特典贈呈について
販促活動は、新規の顧客を増やすだけではなく、既存顧客やリピーターにつなげるためのアクションも大切です。
特に口コミは、第三者がご自身のネットショップを利用する判断材料にもなるので、積極的にレビューや口コミを促せる施策を実行していきましょう。

11ネットショップを開業する際の注意点
個人でネットショップを開業する際は、意識しなければならない注意点がいくつかあります。
信頼できる取引や法律に関わる点でもあるので、必ずチェックしてください。
11-1.特定商取引法に基づく表記
ネットショップの販売には、特定商取引法に基づき
- ✔代金支払い方法・時期
- ✔商品の到着時期
- ✔販売者氏名
- ✔電話番号
- ✔住所
といった表記が定められています。
2022年6月1日には、特定商取引法の改正が行われ、購入確定画面前に以下の項目を表記するよう命じられました。
- ✔分量
- ✔販売価格・対価
- ✔支払い時期・方法
- ✔引渡・提供時間
- ✔申込の撤回、解除に関すること
- ✔申込期間(期限のある場合)
上記をふまえて商品を販売しないと、法律に抵触してしまう可能性もあるので、十分に注意してください。
詳しくは、以下の消費者庁のリンクからご覧いただけますのでご確認ください。
・令和3年特定商取引法・預託法の改正について
11-2.連絡先をわかりやすく記載する
特定商取引法によって連絡先の表示は義務付けられているものの、わかりやすい場所に記載しなければ意味がありません。
連絡先がわかりにくいと、取引先の仕入れや配送に関する問い合わせ、お客様の商品に関する問い合わせなど、スムーズな取引ができなくなります。ト
- ✔ビジネス用の電話を契約する
- ✔ネットショップ専用のメールアドレスの取得
もし、ネットショップ用の連絡先を持っていない場合は、以上の方法で取得し、用意しておきましょう。
その上で、ネットショップのファーストビューや誰もが目にする場所に連絡先を記載し、見つけやすいように心がけてみてください。
11-3.注文から発送までを素早く行う

特定商取引法によって、引渡・提供時間の記載が義務とされているため、購入者も記載された期間を信頼して注文しています。
そのため、注文を受けたら記載通りのスケジュールで商品が到着できるよう、なるべく素早く発送を行わなければいけません。
例えば、受注量が増えてきた場合や、天候が悪くなりやすい時期には、到着時期に余裕を持たせるといいでしょう。
個人のネットショップは自由に作業ができる点がメリットとはいえ、お客様を待たせるのはNG行為です。
余裕を持った配送スケジュールを持ちつつ、迅速に発送できるような準備を怠らないようにしましょう。
11-4.収支の計算は正確に行う
ネットショップビジネスは、仕入れて販売するだけで終わりではなく、必ず収支の計算を把握しなくてはいけません。
原価やネットショップ運営費用、売上や損失などをもとに、どのくらいの利益が出たかを計算しましょう。
正確に収支の計算を行うには、ネットショップ開業前に仕入台帳を作成しておき、毎日記入するのがおすすめです。
収支の計算をしていると、商品の売れ行きやユーザーの傾向、時期による売上の変化なども把握できるようになります。
売上をあげていくためには、ユーザー動向の理解は必須なので、会計ソフトや仕入台帳を駆使して収支計算できるようにしましょう。
11-5.輸入関税に注意する
もし、販売する商品が輸入するものだった場合、関税に注意しなくてはいけません。
課税価格(海外商品価格+国際配送料+保険料+その他手数料の合計)によって、税率が変わり、
- ✔課税価格が1万円以下は関税と消費税はかからない(ただし、革製品、手袋・靴、ニット衣類などは免税の対象外)
- ✔課税価格が20万円以下(少額輸入貨物)なら簡易税率、20万円以上なら一般税率が適用
以上のような規則があります。
また、少額輸入貨物に該当する20万円以下の輸入は、品目ごとに簡易税率が適用される点も理解しておきましょう。
11-6.税金申告は必ず行う

利益が発生しているネットショップである以上は、経営者の方が税金申告をするのは当然の行為です。
個人事業主の場合は事業所得として確定申告を行いましょう。
もし会社員として給与をもらい、副業として収入を得ている場合は、ネットショップの利益20万円を超えた分を雑所得として確定申告してください。
税金申告を忘れてしまうと、無申告加算税が追加されてしまうので、損失が大きくなります。
そのため、必ず収支の計算を行い、税金申告しやすいように準備しておきしましょう。
12ネットショップの開業ならBESTホームページ
もしネットショップの開業を考えているなら、弊社が提供しているBESTホームページをご検討ください。
BESTホームページでは、初心者でも手軽に作成できる操作感と豊富なデザインテンプレートをご用意しています。
また、ECサイト用にショッピングカート機能も実装できるため、ホームページと併設したネットショップサイトを完成可能です。
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13まとめ
今回はネットショップ開業方法や必要なものなどの基本知識について解説しました。
個人でも簡単にネットショップ開業ができる時代ですが、注意しなくてはいけない点も多々あります。
特に利益を出し続けるという点においては、ビジネスの中で最も難しい領域になるので、ぜひ本記事を参考に集客・販促に力を入れ、ネットショップにチャレンジしてみてください。
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