株式会社カワセ精工は、岐阜県大垣市で金属加工を手掛けるものづくり企業だ。難易度の高い加工を得意としている同社は、プレス加工にとどまらず溶接や組み立てなどワンストップで顧客のニーズに対応する。地域密着と「三方よしの経営」を掲げる川瀬知哉社長は、昨年HPのリニューアルに踏み切った。常に進化し続ける同社は、HP 活用においてもその革新性を発揮しつつある。
──事業内容は?
川瀬 金属パイプの旋盤加工事業からはじまった当社は、金属プレス加工に溶接加工、表面処理加工、組み立てまでトータルで対応するものづくり企業です。売り上げの6〜7割を自動車のボディー部品が占めており、3割が農機具部品、残りは電気部品などとなっています。手のひらサイズからA3サイズまで幅広い金属加工部品を手掛けていますが、とくにアルミなどの加工難易度が高い素材を使ったものづくりを得意としています。
また、当社でカバーしきれない加工内容のご相談も、協力企業との独自のネットワークを活用し、1社での対応が難しい場合は複数社で解決するという姿勢で、可能な限りご要望にお応えしています。
──大切にしていることは?
川瀬 自社の利益だけでなく、ご依頼くださる顧客、働いてくれる社員、そして地域や社会のことを考えた「三方よしの経営」です。当社は創業以来、地域密着企業として多くの方に支えていただいてきましたから、地域への恩返しもしていければと思っています。
また、「常に考え、さらに良い方法を見つける」という姿勢を大切にしています。これまでも5S活動や、役職者に対するマネジメント研修などを行ってきました。直近ではトヨタ式改善活動の実践や外部の研修なども活用しながら、より良いものづくり体制を築くための努力を続けています。
ほかにも数多くのことに取り組んできました。例えば、16年前から環境活動としてエコステージという環境マネジメントシステムを取り入れています。2022年にはIOTによる生産設備や生産体制の見える化も導入しました。こうした技術革新や改善の取り組みは、今後も基本姿勢として継続して取り組んでいきます。
──今後、注力すべきことは?
川瀬 AI技術をはじめとしたテクノロジーの進展と裏腹に、人材の確保は難しくなる一方です。だからこそ、最新のテクノロジーによる効率化は必須。これからは「モノをしっかりとつくれば売れる時代」から、「利益が出せる技術力を提案する時代」になります。そのため、他社にはできない生産体制や技術にしっかりと注力していきます。進化のヒントは、お客さまからいただくご要望の中にあるはずです。
──HP刷新の狙いは?
川瀬 リニューアル以前から、税務顧問の税理士法人清会計事務所さんから紹介されたアイ・モバイル社の『BESTホームページ』サービスを利用していました。当社のようなものづくり企業は、HPから直接集客や売り上げを勝ち取るビジネスではありません。多額のコストをかけてHPを作ることは、費用対効果という意味でベストな選択肢とは言えません。その点『BESTホームページ』は導入コスト・運用コストともにリーズナブル、かつ操作性も良いということでリニューアルもお願いすることにしました。
以前のHPの操作性などにこれといって不満はありませんでしたが、時代の変化に合わせてHPも変える必要があります。「更新しない」「何も変わらない」状態のままでは企業にとってマイナスです。
──新HPで重要視したことは?
川瀬 ものづくり体制や社内の雰囲気など、包み隠さずオープンに発信することを意識しました。また、動画の活用にもこだわりました。写真や文字だけのHPと比べて、多くの情報を伝えることができる動画をトップページに掲載することで、印象的なサイトになったと感じています。また、工場内の様子も動画で公開しており、設備、環境保全の取り組みなどを余すところなく掲載しています。
──「できる限り情報を多く」と考えた理由は?
川瀬 HPはお客さまが依頼先を検討する際、必ずと言ってよいほどご覧になります。そのため、情報を的確に発信することは、機会損失の防止にもつながります。
どのような製品を製造している会社なのか、どの分野に強みを持つのか、あるいは見込み顧客がどのようなキーワードで検索をするかなども考え、HP内の文章を作成しています。例えば、ひと口にプレス加工といってもさまざまな種類があります。当社では難易度の高いアルミ加工もできることをアピールしたいので、そこに関連するワードを適切に盛り込んでいます。
── HP刷新後の変化は?
川瀬 商談や人材採用において、当社をより深く理解いただけるケースが増えたと実感しています。岐阜県以外の遠方地域からも問い合わせをいただき、仕事につながった事例もあります。
採用の際のミスマッチ解消にも役立っています。面接時に必ず「弊社のHPは見ましたか」と質問していますが、ほとんどの人が採用情報に掲載されている先輩社員の声などを読んでいます。入社してから「イメージしていた仕事と違った」と離職につながってしまうことは、求職者にとっても当社にとっても大きな損失ですからね。
──今後、HPの活用をどのように?
川瀬 SNSの活用にもチャレンジしたいと思っています。今回のリニューアルでオンライン戦略を一歩前へと進めることができ、それが自社の信頼醸成につながっていると感じているので、次はSNSなども複合的に組み合わせ、よりアグレッシブな施策に挑戦してみたいです。
アイ・モバイル社の『BESTホームページ』は、更新作業やアップデートが自社で簡単にできます。運用しやすい今の環境を大いに生かしていきたいですね。
(取材協力・税理士法人清会計事務所)
株式会社カワセ精工
住所:〒503-0985 岐阜県大垣市野口1丁目308番地の1
URL:https://www.kawase-sk.com/
(インタビュー・構成/アイ・モバイル 株式会社)
株式会社TKC発行のビジネス情報誌「戦略経営者」に掲載された連載記事を掲載しております。
この記事への感想やご意見、サービスに関するご質問がありましたら、下記よりお問合せください。
この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。