1971年創業の五島電気建設は、京都を拠点に交通信号機や道路照明設備などの屋外電気工事を手掛ける老舗企業。専門性の高い施工経験を強みに、業績も右肩上がりだが、五島幹也社長は人材獲得が課題と危機感をにじませる。そんな同社が取り組んでいるのがHPを活用した採用戦略だ。創業から現在までの歩み、経営に込める思い、そしてHP戦略について五島社長と総務の吉田いつみ氏に聞いた。

──事業内容を教えてください。
五島 交通信号機設備の交換・保守・修理、道路照明設備の設置工事から24時間管理など、屋外電気工事を中心に手掛けてきました。創業者である父が、関西電力の関連会社から独立して以来、京都府内の交通インフラを支えてきた自負があります。また、高所作業車などを保有し、交通信号機設備や道路照明設備工事に加え、ケーブル地下埋設工事や高圧受変電設備工事なども請け負っています。
──強みは何でしょう。
五島 京都の交通インフラを長年支えてきた実績と信頼、そして高い専門性だけでなく安全意識の高さも強みです。道路での作業が多いため、社員の制服は視認性の高い赤を選ぶなど、安全を守る仕組みづくりにも積極的に取り組んでいます。

──経営理念は?
五島 社会や顧客そして一緒に働く社員とその家族の喜びを作り出すことです。社員の幸せは、会社の成長と深く関わっています。社員が仕事に価値と誇りを持てるような業務の工夫にも取り組んでいます。
たとえば朝礼は、メジャーリーグのようなスタジアムロッカースタイルで行い、社員の表情が見える環境のなか、その日の体調や雰囲気が分かるようにしています。現場が多岐にわたるからこそ、朝の時間に顔を合わせ、声をかけ合うことを大切にしています。
──他には?
五島 一般的なKY(危険予知)ミーティングを、毎日同じ内容を繰り返すだけではなく、現場ごとの状況や悩みを共有し、全員で知恵を出し合う場へと切り替えました。
──今後の展望を。
五島 課題は人材です。電気工事はAIやロボットでは代替できません。また、社会から必要とされ続ける分野でもあります。だからこそ、給与や休暇、働きやすさといった環境面を整え、性別を問わず安心して長く働ける職場づくりを行っています。
また、以前は偏りがあった公共工事の日程の平準化が次第に進みつつあるので、将来的には週休3日といった働き方も十分に可能だと思っています。誇りを持って続けられる環境づくりを実践することが、結果として次の世代に会社を引き継ぐ土台になると思っています。

──HP制作のきっかけは?
五島 電気工事会社と言っても、当社のように屋外工事を得意とする会社もあれば、屋内工事専門の会社もあります。だからこそ得意とする仕事をHPで発信する必要があると考えました。
──制作時のポイントは?
五島 当社が屋外専門であるという強みをしっかりと伝えるHPにすること。そのために施工実績、保有する特殊車両や設備に加えて、従業員の保有資格も掲載しています。こうした一つ一つの情報が、会社としての信頼性の獲得につながるはずだと考えました。
──採用専門のHPを別に立ち上げた理由を教えてください。
五島 求職者と、会社概要や事業内容を知りたい方とではニーズが異なります。見たい情報にスムーズにたどり着けるようにするためにも、別々のサイトを設ける必要があったのです。
コーポレートサイトは、取引先や関係者に向けて「どんな会社か」を伝える場所。一方、採用HPは「ここで働くとどんな毎日になるのか」「どんな人たちが働いているのか」を伝える場所としてすみ分けています。
──現在のHPの感想は?
五島 私たちが思い描いた通りの内容にしてもらえました。アイ・モバイル社の『BESTホームページ』は、更新がしやすく、分からない部分は相談できる安心感があります。
吉田いつみ 直感的に操作できる管理画面で、更新がしやすく、他者に引き継いでも安心して運用できる点が魅力です。また、サポートセンターに複雑な更新を依頼できるのも良いですね。
──導入後の変化は?
五島 テレビ番組で、当社も参加している一般社団法人全信工協会主催の交通信号工事甲子園が取り上げられたことがあります。そこで当社が紹介された直後は、HPへのアクセスが一気に増えました。やはりテレビの影響力は大きいと実感しました。
ただ、HPを見てくれる人は確実に増えましたが、採用は一朝一夕で結果が出るものではないと感じています。それでも、女性スタッフについては、HPを見て応募した方が2名おり、どちらも採用につながりました。「きちんと届いている」という手応えは感じています。
吉田 月ごとのアクセス数などの数字は社内で共有しています。動きがあった時期を見ながら、「何を更新すべきか」「何を伝えたらいいか」を考えるようになりました。数字を見ながら改善していけるのは、データを確認できるからこそだと思います。
──インスタグラムの活用も力を入れているとか。
吉田 一昨年から始めました。投稿後はHPのアクセスが少し伸びる傾向があり、HPとSNSを連動させる効果を感じています。スマホを使い慣れている若い世代には、インスタグラムのようなツールは相性が良いですね。SNSで会社の雰囲気を知ってもらい、もう少し詳しく知りたいと思った方がHPを見る、という流れを意識し、相互にリンクを設けています。現場の様子や日常の一コマを発信することで、文字だけでは伝わりにくい「会社の空気感」を感じてもらえたらと思っています。
──今後は?
五島 今あるHPをきちんと使い続けることが大切だと考えています。そのためにも、最新情報を常に掲載することを心がけています。情報が古いままでは機会損失につながりますから。
採用サイトについても、写真や情報が古くならないよう更新していきたいと思っています。会社の状況は少しずつ変わっていくものです。「今」を正しく映し続けるツールとして、HPを活用していきたいですね。
(取材協力・税理士法人アチーブメント)
五島電気建設株式会社
住所:〒618-0071 京都府乙訓郡大山崎町鏡田45-98
URL:https://www.fiveislands.jp/
(インタビュー・構成/アイ・モバイル 株式会社)
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